納棺前 白仏衣着替え・身支度
通夜当日午後14時前に葬儀社の担当の方が、納棺前のドライシャンプー・顔剃り(髭剃り)・綿つめ・化粧と白仏衣への着替えなど身支度に来た。
臨終後病院で末期の水・清拭という処置はしていただいているが、改めて父の顔をきれいにしていただく。
あわせて白装束(白仏衣)に着替えさせてもらうのだ。
本来なら湯灌式という体を清める儀式を行うのだが行わなかった。
足袋や草鞋も履かせてもらい、三途の川の渡し賃の紙の六文銭が入った袋を下げている。
以前は実際の小銭を入れていたような記憶があるのだが、火葬でお骨に引っ付いたり、お骨を傷つけるので現在は入れないそうである。
手甲・脚絆・頭陀袋も施してもらい、胸で合掌した手には数珠がつけられた。
髭を剃り、化粧をしてもらった父の顔みると、ほんと穏やかでまるで寝ているようだった。
よくよく考えるとこんな穏やかな父の顔を見るのは久しぶりのような気がした。
私がまだ子供の頃、仕事から帰った父に「おかえり」というと「ただいま」と答えたときの顔を思い出す。
このあと16時に葬儀社の迎えの寝台車が来て、家から葬儀式場へ向う。
そして葬儀会館で納棺となる。
暫く父の顔を見て、家族も葬儀の支度を始める。