枕飾りと枕経

2010-09-22

枕飾りと枕経

父を乗せた葬儀社の寝台車から3分ほど遅れて私は自宅に着いた。
家に入るとすでに寝台車で病院に迎えに来てくれた葬儀社の2名の方が、父を布団に寝かせドライアイスを布団に入れて守り刀を置いている。
続いて一人の方が枕飾りをセットしている、丁度ごはんも炊き上がった。
もう一人の方が何か弟に聞いている。
どうやら葬儀はどちらでするのか聞いているようだ。

生前父は、町内会(自治会)の会館で葬儀はいいと言っていた。
祭壇が30万円と葬儀社の会館でするよりかなり安いからだ。
残された家族に金銭的な負担をかけたくないからそういっていたのだと思う。
だが、母と弟と私で数日前に話し合って葬儀は葬儀社の会館で行うことに決めていた。
だから弟は「葬儀社の会館でお願いします」と答えた。

続いて「喪主はどなたがされますか」と聞かれた弟が、「兄、長男が務めます」と答えたので慌てて私が話しに割って入った。
葬儀に関する実質的なことは私が仕切るが、あくまでも喪主は配偶者である母がするべきだ。
そうこうしている間に、家に戻ったら一番にお寺さんに連絡し、枕経をあげてもらうようにお願いしようと思っていたのに、連絡が遅れてしまった。
病院ですればよかったのだが、お寺さんの連絡先がわからなかった。
電話帳で調べる時間もなかった。