戦メリ主題歌 坂本龍一「Merry Christmas, Mr Lawrence」

2013-01-18

sakamoto-ryuichi

坂本龍一 は大学在学中にスタジオ・ミュージシャンとして音楽活動を開始し、1970年代後半よりソロとして活動、1980年7月21日「WAR HEAD」でデビューする。
ミュージシャン、作曲家、編曲家、音楽プロデューサー、ピアニスト、キーボーディストと各分野で活躍、音楽ジャンルとしてはヘヴィメタルとカントリー以外をこなす。1078年結成の YMO では一大テクノポップブームの火付け役となった。映画「戦場のメリークリスマス」で初めて映画音楽を手がける。

別名“教授”と称される卓越した音楽理論を身につけ、スタジオミュージシャンとして培ったピアノ・キーボードのテクニックを持つ坂本龍一は、1983年大島渚監督の映画「戦場のメリークリスマス(Merry Christmas, Mr. Lawrence)」で初めて 映画音楽を担当、坂本龍一自身もヨノイ大尉役で戦メリに出演している。

映画 「戦場のメリークリスマス」あらすじ・キャスト

第二次世界大戦・太平洋戦争中のジャワ島山中の日本軍俘虜収容所が舞台、カネモト(ジョニー大倉)が起こした事件の処理をしていくうちに次第にうまれた英国陸軍中佐ジョン・ロレンス(Tom Coti トム・コンティ)と軍曹ハラ(ビートたけし)の不思議な友情、日本軍輸送隊を襲撃し俘虜となった陸軍少佐ジャック・セリアズ(David Bowie デヴィッド・ボウイ)の反抗に苦慮しながらも惹かれて行く陸軍大尉ヨノイ(坂本龍一)の姿など男たちの交流を通じて、東洋と西洋の宗教、行動、道徳、価値観などの違いを描写している。

この戦メリには、戦争映画にありがちな戦闘シーン・実録映像はなく、また出演者は全員男性である。キャストも個性的かつ豪華で、ジャック・セリアズ英軍少佐(デヴィッド・ボウイ)をはじめとして、ヨノイ大尉(坂本龍一)、ハラ・ゲンゴ軍曹(北野武)、ジョン・ロレンス英軍中佐(トム・コンティ)、拘禁所長(内田裕也)、カネモト(ジョニー大倉)、ゴンドウ大尉(室田日出男)、イワタ法務中尉(内藤剛志)などそうそうたる出演者である。

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監督:大島渚
発売日:2011.10.29
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大島渚(脚本) , サー・ロレンス・ヴァン・デル・ポスト(原著) , ポール・マイヤースバーグ(脚本)

ジャック・セリアズ英軍少佐(デヴィッド・ボウイ)とヨノイ大尉(坂本龍一)のキスシーンも印象的だが、やはり軍曹ハラ(ビートたけし)のラストの「メリークリスマス、ミスターローレンス!」というハラ軍曹(北野武)のアップが印象に残る。映画のタイトルがMerry Christmas, Mr Lawrence(戦場のメリークリスマスは邦題)だから印象に残って当然だが。

戦メリ主題歌「Merry Christmas, Mr Lawrence」

Merry Christmas Mr Lawrenceはピアノで演奏されているイメージだが、オリジナルはシンセサイザーで演奏されている。歌詞はないンストゥルメンタルで基本メインフレーズを繰り返す形式の楽曲、比較的簡単なメロディーで少ない音でこれほど映画のシーンを浮かばせ、静かに哀愁をおびた感情を心に響かせるのは天才といわれる坂本龍一ならではではないだろうか。歌詞のないインストでは感情、情景を伝えることはむずかしいものだろう。

ちなみに、 主題歌 merry christmas mr.lawrenceは宇多田ヒカルもカバーしているが、歌詞がありメロディーも違っていて、オリジナルのメインフレーズは裏で流れているようにアレンジされている。

イエロー・マジック・オーケストラ(YMO)でテクノポップ、コンピューター音楽の礎を築き、一方民族音楽、民族楽器を使った楽曲制作、またクラシック音楽に精通してるなど、ジャンルにとらわれない坂本龍一の音楽活動には感嘆するばかりであります。